Web制作のプロが語る!あなたのビジネスを加速させるブログの始め方【第2回】ブログを始める前に考えるべきこと:目的設定とターゲット分析

導入:ブログを成功させる「準備の9割」
皆さん、こんにちは! 合同会社ウカノのWebブログへようこそ。
前回の第1回では、「なぜ今、企業ブログを始めるべきなのか?」という、ブログが持つビジネス上の強力な可能性についてお話ししました。ブログは、単なる情報発信ではなく、長期的な集客と信頼(E-E-A-T)を築くための最強の資産となります。
しかし、その「最強の武器」を手に取る前に、最も重要な、そして多くの企業が見落としがちな作業があります。それが、「目的設定」と「ターゲット分析」です。
この土台作りを怠ると、「何のために書いているのかわからない」「誰にも読まれない」という状態に陥り、必ず途中で挫折します。ブログの成否は、執筆を始める前の準備段階で9割決まると言っても過言ではありません。
本記事、第2回では、あなたの企業ブログを確実に成功へ導くための、揺るぎない土台作りについて、Web制作のプロの視点から具体的なステップで解説します。「誰に」「何を」「なぜ」伝えるのかを明確にし、迷いのない一歩を踏み出す準備を整えましょう。
【ステップ1】戦略的な目的設定:なぜ、何のために書くのか?
ブログの目的は、必ずビジネス上の具体的かつ測定可能なゴールと結びつけなければなりません。この目的がSEO戦略やコンテンツの方向性を決定づけます。
1-1. ビジネスゴールとブログゴールの紐付け
まず、あなたの会社がブログを通じて達成したい最終的なビジネスゴールを明確にします。
ビジネスゴール(最終目標) | ブログゴール(具体的な貢献) | 測定可能なKPI(指標)の例 |
新規顧客の獲得 | 認知度向上とリード獲得 | 月間新規訪問者数、資料請求数 |
売上向上 | 見込み顧客の育成と商談化 | ブログ経由のお問い合わせ率、顧客単価 |
採用強化 | 企業文化の発信とブランディング | 採用ページへのブログ経由の流入数、応募者数 |
【重要】SMART原則で目標設定
ブログゴールは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)に沿って設定しましょう。
- 例: 「半年以内に、Web制作に関する記事からのお問い合わせ件数を月間5件にする」
1-2. 目的を全社で共有する
設定した目的は、ブログ担当者だけでなく、営業部門や経営層など、全関係者で共有してください。
- ブログが「営業ツールの補完」なら、営業部門は「この記事を商談で使えるか?」という視点でフィードバックできます。
- 目的が明確になると、記事作成の軸がブレなくなり、評価基準も統一されます。
【ステップ2】ターゲット分析:誰の、どんな悩みを解決するのか?
目的設定が羅針盤だとすれば、ターゲット分析は地図です。「誰に」届けるかが曖昧な文章は、誰にも響かないノイズになります。
2-1. ペルソナ設定の徹底
ターゲットを、あたかも実在する一人の人物のように詳細に設定する「ペルソナ設定」を行いましょう。
要素 | 抽象的なターゲット | 具体的なペルソナ(例:UKANOの場合) |
基本情報 | 中小企業の経営者 | 田中健太(42歳)、製造業のWeb担当部長 |
業務上の課題 | ホームページをリニューアルしたい | 「今のHPが古く、モバイル対応も不十分で、問い合わせがゼロ。上司にリニューアル費用対効果を説明できず困っている」 |
検索行動 | Web制作について調べる | 平日の通勤中(スマホ)に「ホームページ制作 費用 相場」「制作会社の選び方」を検索する。 |
ブログに求める価値 | 成功事例を知りたい | 「リニューアルで〇〇という成果が出た、具体的な手順と事例」 |
【ポイント】
ペルソナの「最も深い悩み」が、そのままブログ記事のテーマになります。あなたのブログは、田中健太部長の不安を解消し、彼の業務上の成功を助けるために存在するのです。
2-2. ターゲットの「検索意図」を理解する
ペルソナが何を求めて検索しているか、その「検索意図(Search Intent)」を理解することが、SEOの核心です。
検索意図 | ターゲットの心理 | キーワードの傾向 | 記事の方向性 |
Know(知りたい) | 「〇〇とは何?」 | 「SEOとは」「Webサイトの定義」 | 解説、用語集、業界トレンド |
Do(やりたい) | 「どうすればできる?」 | 「Analytics 設定方法」「ブログ 記事の書き方」 | 具体的な手順、How-toガイド、チェックリスト |
Buy(買いたい/検討したい) | 「どこに頼むべきか?」 | 「Web制作会社 比較」「サービス名 料金」 | 比較、事例紹介、料金体系、Q&A |
【戦略】
企業ブログは、Know(認知)の記事で集客し、記事内でスムーズにBuy(購買検討)の記事へと誘導する内部リンク(導線)を設計することが重要です。
【ステップ3】競合分析:市場における立ち位置を確立する
目的とターゲットが明確になったら、次は「市場でどう勝つか」を決めます。
3-1. 競合ブログの徹底調査
競合とは、あなたのサービス提供の競合だけでなく、「同じターゲット層に情報提供しているメディア」も含まれます。
- コンテンツのテーマと量: 競合がどんなテーマをどれだけ書いているか。
- 人気記事の分析: 競合のブログで最も検索流入やSNSシェアが多い記事から、市場のニーズを読み取ります。
- トーン&マナー: 堅い、フランク、専門的、など、彼らが読者に与えている印象を把握します。
3-2. 差別化の軸(ポジショニング)の確立
競合がカバーできていない「空白領域」こそが、あなたのブログが「選ばれる理由」です。
- 専門性で差別化: 競合が一般的な解説なら、あなたは「現場のエンジニアだけが知る最新のセキュリティ対策」など、深い技術的知見に特化する。
- ターゲットで差別化: 競合が全業種向けなら、あなたは「製造業のBtoBマーケティングに特化したWeb制作ノウハウ」など、特定のニッチ市場に絞り込む。
【ブログコンセプトの言語化】
この差別化を言語化し、ブログのコンセプトとして明文化しましょう。
「合同会社UKANOのブログは、『Webサイトを資産として活用したい中小企業経営者』のために、『現場のデータに基づいた具体的なWeb集客の成功ノウハウ』を、『専門用語を分かりやすく解説しながら』提供します。」
まとめ:ブログ成功への最初の羅針盤
企業ブログを成功させるには、戦略的思考が執筆作業に先行しなければなりません。
本記事で解説した「目的設定」「ペルソナ分析」「競合分析」は、あなたのブログの羅針盤、地図、そして戦闘戦略となります。この土台がしっかりしていれば、コンテンツの方向性がブレることはありません。
【今回の重要チェックポイント】
- KPI設定: ブログゴールを具体的な数値(KPI)で設定したか?
- ペルソナ: ペルソナの最も切実な悩みを特定したか?
- ポジショニング: 競合にはない自社独自の強みをコンセプトに組み込んだか?
次回、第3回では、今回の分析結果を最大限に活かし、いよいよ具体的な「検索エンジンに強い! SEOを意識したキーワード選定と構成案の作り方」について解説していきます。
戦略的な土台は整いました。次は、その土台の上に立つ「設計図」を作りましょう。